池上の魅力

日常の延長上で体験! “着物” “植物”の世界に触れて心ときめく1日を過ごす

文化の薫りを醸す池上には、何気ない日常を特別なものにしてくれる場所がそこここに。
やわらかな陽光があふれる季節。
おしゃれ心や感性を刺激してくれる2つのお店で素敵な時間を過ごしてみては?

「ケの日」を特別なものにするお手伝い「着物とコーヒー ふうりん」 植物を通して空間づくりのご提案「Flower Shop wnico」

「ケの日」を特別なものにするお手伝い「着物とコーヒー ふうりん」

池上駅の南口から徒歩約10分の場所にある「着物とコーヒー ふうりん」は、オーナーの長谷川さんと山本さんが2020年3月にオープン。もともと長谷川さんご夫妻が同じ場所で10年間営んでいた「雑貨カフェ Foo(フー)」を経て、新たにスタートを切ったこのお店は、その名のとおり、着物レンタル・着付けに加え、リユース着物の販売を行うセレクトショップであり、コーヒーを楽しめるカフェです。

互いに池上に居を構え、共通の趣味である着物を通じて親しくなったというお二人。かねてから生活の中に着物を取り入れてきたことから、いつしか「着物の楽しさをもっと広めたい」と思うようになったとか。それに、何と言っても、池上は池上本門寺をはじめ、多くのお寺が点在する寺町。古民家カフェなど、フォトジェニックな場所がそこここにあるのが魅力です。
「池上は本来、着物がよく似合うまち。着物を着て、街並みを散策していただけたら」といいます。

入り口から見た店内。席はカウンター席とテーブル席がある。奥にはレンタル・販売着物がずらり。

「日本では、非日常と日常を『ハレ』の日、『ケ』の日と呼びますが、着物はハレの日しか着ないというイメージがありますよね。それだけだとつまらないので、日常の『ケ』の日にも着物をお召しになってみませんか、というご提案をさせていただいています。
なんでもない『ケ』の日を特別なものにする。そのお手伝いをしてくれるもののひとつが、着物だと思うんです。ですので、私たちはまた、そうした時間をみなさんに過ごしていただけるようなお手伝いをさせていただきたい、と思っているんです」と山本さん。

棚に並ぶのは販売用の着物。お手頃価格が魅力。

レンタル着物代は、襦袢や帯など小物一式も含め、着付け込みでトータル4000円ほど。また販売する着物は夏物も合わせて約500点にのぼり、ほとんどが3000〜4000円というお手頃価格! ともすると敷居が高いイメージのある着物をリーズナブルに楽しめるのが魅力です。

お客さんの層はさまざまですが、特にレンタルは、普段、まったく着物を着ないという人の利用が多いとか。実際に1日を着物で過ごしたお客さんからの「着物って楽しいですね!」という一言が、何よりもうれしいといいます。

長谷川さん(左)と山本さん(右)。

「現代は、とにかく着物を着る機会がありません。さらに、着物というとやはり高価で手が出ないというイメージから、ますます着物を着るという選択肢が失われてしまっているように思います。
ですので、まずはお気軽にレンタルでお試しいただいて、『着物ってこんなにいいものなんだ』『いつもとまるで違う感覚になるな』と気づいていただけたらうれしいです」(山本さん)

レンタル着物は、ラックにかかっているものの中から好みのものを選べる。「着物を着てカフェ巡りを楽しんでもらえたら」と、近隣にある素敵なカフェも紹介。夕方の返却時間までたっぷり寺町散策が楽しめる。男性用も扱うので、デートにもぴったり!

品質にこだわり、「シルク(絹)の感触を楽しんでもらいたいから」と、ポリエステル素材の着物は一切扱わないのもこのお店の流儀。その1点、1点に施された織りや絵柄は、繊細でいて華やか。思わずため息が出てしまうほどの世界観が広がります。 「昔ながらのシルク製の着物には、お蚕さんの繭から糸を引いて織って、織った生地に染色して、そこに絵師がお花などを描くという、とても手の込んだ一連の世界がある。日本のすばらしい伝統技術が生み出す、まさに芸術だと思うんです」と長谷川さん。

船が描かれた訪問着(左上)は、「日本画を身につけているような感覚ですよね。洋服だとなかなか味わえない世界だと思います」。いまでは作り手が減った「ひげ紬」の帯(右上)など貴重なもの、振袖(下)も扱う。

「ただ、あまり枠に縛られることなく、お好きなように着ていただいていいと思うんです。例えばいまの若い方は、レースを合わせたり、ブーツを履いたりと、昔とはまったく違う感覚で着物を楽しまれる方もたくさんいらっしゃいます。
中には、そんな組み合わせはおかしいでしょうと言われる方もいらっしゃいますが、まずは着物に慣れ親しんで、楽しんでいただくのが一番。そうして楽しみながら着こなしていけば、正統派の装いも素敵だなという見方もおのずと生まれるものだと思うんですね」

桜の柄の着物(左)、アンティークものの帯(右)。着物の世界では桜の開花前に着るのが粋だとか。販売する着物はリユースでも未使用のものも多く、着物の価格帯は3000〜4000円が相場。帯と合わせても1万円以内で揃えられるものがほとんど。

春の陽を浴びた池上の街並みを、自分好みの着物をまといそぞろ歩く──そんなささやかな日常の1コマが、とりわけコロナ禍により、成人式やイベントの中止が余儀なくされるなど、失われていくものも決して少なくはない日々の中に、大きな潤いを与えてくれそうです。
もちろん、着物はレンタルや購入をしなくてもOK。「実際にお手に取って見ていただき、着物の世界に触れてみてください」とお二人。職人により趣向が凝らされた着物の数々は、鑑賞するだけでも大きな刺激を与えてくれるはずです。

カウンターでは、このお店のシンボルであるふうりんがゆらゆらと揺れる

カフェ利用のみのお客さんも大歓迎というこのお店。
「特に男性は、入りにくいとおっしゃる方もいますが、ぜひ気軽にご利用いただければと思います」。
提供する「コーヒー」(500円)は、注文を受けてから豆をひき、サイフォンで丁寧にいれるという本格派。エスプレッソにクリーミーなミルクを載せた一番人気の「カフェラテ」(550円)は、抹茶茶わんで提供するのも、このお店ならでは。
いずれも、壁に並ぶ器の中から、好みのものが選べます。

抹茶茶わんでいただくカフェラテ。ドリンクにはすべて「小菓子」がつくのもうれしい。

席はカウンター席のほか、テーブル席もあり、人数やその日の気分に合わせて、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
「着物や抹茶茶わんのある、ちょっと特別な雰囲気の中でコーヒーをゆっくり楽しんでいただけたらと思います」

着物に触れる機会のないという方も気負わずに過ごせるこの空間で、思い思いのひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

店内は、雑貨カフェ時代の趣も残し、愛らしい雑貨やハンドメイドのアクセサリーなども展示・販売。
店の入り口脇の陽が差し込むテーブル席(予約席)は、半個室のような落ち着く空間。
着物とコーヒー ふうりん
住所:大田区池上6-38-13
電話:03-3752-9020
営業時間:11:00〜17:00
(レンタル着物を利用する際は、11:00より前から着付けが可能。返却時間は17:00)
定休日:火・水曜日
※価格は税抜
(Instagram)
https://www.instagram.com/foor.ing/
(オンラインショップ)
https://fooring.thebase.in 
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