池上の魅力

明治元年創業の老舗海苔問屋探訪でかぐわしい磯の香りに触れる

人混みを避けながら、
外でお弁当を食べるのにも最適な季節。
老舗の海苔問屋さんで購入した海苔をあれこれ味くらべするのも楽しそう!
大切な人への贈り物としても喜ばれること請け合いです。

奥深き海苔の世界への誘い〜老舗海苔問屋「米忠・並木園」にはワクワクがいっぱい!

奥深き海苔の世界への誘い
〜老舗海苔問屋「米忠・並木園」にはワクワクがいっぱい!

池上駅から徒歩約10分、
スタイリッシュな和モダン建築が目を引く「米忠・並木園(以下、並木園)」は、1868(明治元)年創業の老舗の海苔問屋。

2階の工場で火入れ・焼き加工した焼きたての海苔を缶やアルミ袋に詰めて1階の店舗で販売しています。
店を切り盛りするのは、4代目の並木敏博さん。そして、家業に携わるようになって丸2年が経つという5代目の悠登さんです。

「海苔は、産地や収穫する時期などによって、塩みや甘みなどがまったく変わるんですよ」と悠登さん。

池上で創業して153年。現在の建物は2010年に改築。スタイリッシュでありながらも、落ち着きのある寺町にしっくりとなじむたたずまい。
内装もシックでまるでギャラリーのよう。地域に根ざす老舗海苔問屋の若き5代目・悠登さんにとって、池上の魅力は「東京の中でも自然がたくさんあり、静かで住みやすいまち」だとか。

並木園の海苔はすべて有明産の「一番摘み」。
海苔は11月下旬から3月ぐらいにかけて10回以上収穫が行われますが(※地域によって変動あり)、最初に摘みとられる海苔は「一番摘み」と呼ばれ、収穫量が限られる貴重な海苔なのだとか。

「その分、栄養分も豊富で旨みが強く、香りも豊か。
そして、やわらかいのが特徴です。ぜひ、一番摘みならではの風味を味わってみてください」。

改築する前の並木園の外観。

並木園のある「旧池上通り(平間街道・古東海道)」は、昭和の初期、商店が大森駅方面まで連なり、にぎわいを見せていたのだとか。中でも、古くから海苔の養殖が盛んに行われていた大森には、数多くの海苔問屋が存在しました(*)。

「現在も、大森には約40の問屋がありますが、池上では当時からうちだけです」と敏博さん。並木園は、とりわけ地域の人たちにとって欠かせない存在として、現在に至るまで人々の記憶に刻まれ続けていることがうかがいしれます。

店頭に立つ4代目の敏博さん。並木園では、海苔以外にお茶も販売している。

そんな敏博さんは、大森本場乾海苔問屋協同組合が毎年主催する「海苔テイスティングコンテスト」で優勝経験もある海苔の目利き&味利き。

自然が相手とあって、「いつもいい海苔がとれるわけではない」世界ゆえ、数ある生産者の中から「これ」というものを見極めるのが腕の見せどころ。そうしていい海苔を仕入れたら、海苔ごとに調整する独自の火入れ・焼き加工技術によって、おいしい焼き海苔が出来上がります。

ショーケースにずらりと並ぶ海苔は、板海苔「全型(ぜんけい)」の袋入りや、板海苔を8分割した八ツ切りの缶入りなど、全15種類ほど。
リーズナブルなものから高級なものまで幅広くそろい、見ているだけでワクワクします。

贈答用によく選ばれているという「御所車」(八ツ切り240枚・3000円)、「御所車・半分缶」(八ツ切り120枚・1700円)。

そんな中でも「御所車」(写真)は、最もグレードの高い商品。そのふくよかな味わいもさることながら、海苔の缶とは思えないゴージャスさで、ひときわ輝きを放っています。

聞けば、もともとはお茶の缶として使用されるはずのものだったとか。「30年くらい前、缶屋さんが、お茶缶の買い手がないと困っていたんです。見たらすごくきれいだから、じゃあ、うちで海苔の缶として使おうと決めたんですよ。お陰様で、お客様からとても好評をいただいています」(敏博さん)。

さらに、缶を包む包装にまでこだわるのが並木園のスタイル。贈答用としてお願いすれば、オリジナルの包装紙を使って、写真のように筒包みにしてくれるのです。あなたもぜひ、大切な人の喜ぶ姿を想像しながら、プレゼントに選んでみては?

「全型焼海苔」(10枚入り)は、300円〜1000円までそろう。家庭用としてスタンダードに人気なのは500円の商品。
民芸調の味わいのある包装紙で手際よく包装してくれる。他店ではなかなか見られないサービス!
お茶缶由来とあって、機密性の高いスチール製の中蓋つき。海苔を取り出すと。ふんわりと磯の香りが立ち上り、なんとも幸せな気分に。悠登さん曰く、「一番摘みの海苔は、小穴が空いているものが口どけがよくておいしいんですよ」とか。かざしてみたら、確かに空いている!

創業以来、日本の伝統の味を今に伝え、常に「心からお喜びいただけるものを」という真心を心情に、地域とともに歩みを続ける並木園。

なんと、この春からは、3月30日に開業する駅直結商業施設「エトモ池上」内の「しぶそば池上店」との共同の取り組みにより、池上店限定の海苔に特化したそばメニューが登場するのです! 

しぶそば池上店限定の「花巻そば」。使用する海苔は、並木園で販売していないのでご注意を。

コラボレーションするメニューは、江戸発祥の伝統のそばである「花巻そば」(税込480円)。

花巻そばは一般的に、かけそばの上に、ちぎった焼き海苔を散らすスタイルで知られますが、ここでは贅沢にも大判の板海苔1枚をドンと載せているのが特徴。海苔の香りが広がり食欲をそそります。
また、つゆに浸すと海苔がふんわりと溶け出し、麺に絡んだ海苔の香りが口から鼻に抜ける感覚を楽しめるのもポイントです。

並木園は今回、この花巻そばに最も合う、香りが強くてつゆ溶けのいい海苔を特別に用意。並木園でも購入できない、この海苔の味わいを楽しめるのは、しぶそば池上店だけ! 早くも期待が高まります。

ちなみに、老舗店「村田商店」(大田区池上2−5−6)で販売する「あんみつ」は12人前(2400円)と6人前(1460円)。
しぶそば池上店では1人前を店内で気軽に食べられるのもうれしい。

日本の食文化の1つとしてなくてはならないそばを提供するしぶそば。しぶそばは、「駅そば」ならではの手軽さと、ゆっくり座って食べられるスタイルを併せ持つのが魅力です。

新たにオープンする池上店は、「駅が新しくなることで便利さが増す中、その便利さ以上に地域の方々をはじめとするお客様にとって安心できる・愛されるお店でありたい」という思いから、地域性に特化したコラボレーションも実現。

さらに、「食事だけではなく、ゆっくり休んでいただける場所となれば」と、1962年創業、池上で寒天製造と販売を行う「村田商店」提供の甘味もメニューに登場!

池上店限定で提供する「村田商店のあんみつ」(税込400円)は、こだわりの寒天の味わいが楽しめるシンプルなスタイル。寒天をベースに、こしあん、赤えんどう豆、ぎゅうひをトッピングし、黒みつをかけていただきます。そばとセットで食べられる小盛サイズ(「村田商店のあんみつ」小・税込200円)もあるというからうれしい限り!

連綿と続く歴史の中に立つ、私たち。
時代とともに表層の姿・形は少しずつ変容しながらも、決して変わることのない人と人とのつながりが、豊かな文化を育んでいく──そんな確かな息遣いが感じられるのが、池上というまちの最大の魅力。

みなさんも、ぜひ、池上にある鮮やかな日常の風景を切り取りながら、思い思いのひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

米忠・並木園
住所:大田区池上4-25-4
電話:03-3751-0058
FAX:03-3755-0058
営業時間:9:30〜18:00
定休日:日曜・祝祭日
※価格は税込表記があるもの以外、すべて税抜
http://www5e.biglobe.ne.jp/~yonechyu/
(*)
「海苔養殖発祥の地」として、大森では300年以上前の元禄年間から海苔養殖が盛んに行われ、海苔養殖の技術や乾(ほし)海苔への加工技術が全国各地へと広まっていった。大田区の海辺でとれる海苔は、質・量ともに、長らく日本一の生産地として全国にその名を響かせるが、1962(昭和37)年、東京湾の港湾整備にともなう漁業権を放棄後、生産地問屋は、全国の海苔の産地から海苔を仕入れ加工する加工問屋として販売も行うようになった。現在も、大森地区では約40の海苔問屋が営業している。
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